給食で心も体も豊かに

自分で何を食べるべきかを考える大切さ

私たちは食べることで体が作られ、命を繋げて生きています。

食べること自体が困難であった戦後は終わり、今や食料廃棄が問題になるほど飽食と呼ばれる時代です。女性の社会進出により、食品業界も様々な工夫を凝らし、手軽で便利なものを食べることができるようになった反面、知らず知らずのうちに摂らなくてもいい添加物まで体に取り込んでいるのもまた事実ではないでしょうか。

だからこそ、自分で何を食べるべきか選択する力が必要だと思います。

すべての食品から添加物を除くことは、時間やお金もかかり、現実的に難しいのも事実です。そこで、本園では普段よく使用する塩、醤油、砂糖、味噌などの調味料に注目し、なるべく添加物のないものを提供しております。

給食の時間を"楽しい"と思ってもらえるように・・・

皆さんは給食というと、どのようなイメージをお持ちでしょうか?

年齢に合った量のお料理が一定量配膳され、今では少なくなったと思いますが、残してはいけないという風潮もかつては強かったのではないかと思います。

苦手な食べ物が多い子、もともと食が細い子などは時間内に食べきれず、楽しいはずの給食が辛い時間になってしまったという経験をされた方も少なからずいたのではないでしょうか。これは作り手である私たちにとっても、悲しい現実です。そこで、私たちは給食の時間を"楽しい"と子どもたちに思ってもらうことを目標にし、日々子どもたちと向き合っています。

本園の給食とは

本園で行っている給食について少し具体的にお話しします。

まず、小さい子どもにとっては、食事の場が「安心できる環境」であることが大切です。そのため、食事や排泄時には同じ保育者が見守り、介助します。"いつも同じ"ことが経験の少ない子どもたちにとって"安心"を与えるのです。

次に、子どものもともとの食事量や体調に合わせて量を調整し、できるだけ完食できるようにしています。ここが、今までの給食の概念である一定量と違うところですね。「また残してしまった」「また時間内に食べ終えることができなかった」と毎回感じていては、楽しい気持ちになれませんよね。反対に、完食することで"達成感"を得ることができます。

この達成感が子ども自身の"自信"や"やる気"に繋がり、自尊心を育てることに繋がると考えています。

さらに、デザートは最後に食べなければならないという、食べる順番の強制もなく、子ども自身の意思を尊重し、食べたいタイミングで食べられるようにしています。

マナーや栄養はもちろん大切ですが、特に3歳未満児さんにおいては「給食は楽しい!」と思ってもらう土台づくりが大切です。この土台がしっかりしていれば、マナーや栄養のお勉強は後からついてくると考えています。

今回お話しした給食の具体例は、3歳未満児さんに対するものであります。3歳以上児さんになるとここにルールがプラスされるなど成長の段階に合わせて変わっていきます。楽しい食事は体をつくるだけでなく、豊かな心を育むことにも繋がります。私たちは保育園の給食を通じて、少しでもそのお手伝いができたらいいなと思っています。


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おおくら保育園チーム
(大倉保育園/ATATAME保育園/マザリーズルーム/児童クラブ)

チーム副主任 管理栄養士 佐藤由貴子(大倉保育園 所属)

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